FAQ
よくあるご質問
- Q 裁量労働制の注意点を教えてください。
- A. IT業を中心に、付加価値性の高い業務を行う労働者に裁量労働を導入する事例は多くなっています。労使協定や労働基準監督署の届出等、法定手続が厳格に定められていることから、手続の瑕疵が合った場合は、制度無効と判断されるリスクがあります。制度の有効性を担保するため、必要な手続を確実に実施し、書面化する管理が重要となります。また、裁量労働制導入企業に対しては、裁量労働制をテーマにした労働基準監督署の臨検の対象になることが多く、実態が伴うように管理をする必要があります。
- 【必要な手続】
◆【共通】適用される職種の検討(拡大適用は不可)
◆【共通】就業規則への記載
◆【共通】労使協定の締結と届出
◆【共通】就業規則、労使協定の社内周知の徹底
◆【共通】健康管理措置(ヒアリングやチェックシート)の定期的な実施
◆【共通】苦情処理体制、相談体制
◆【企画型のみ】労使委員会の構成メンバー(会社側委員、労働者側委員)の要件
◆【企画型のみ】労働者側委員の指名権者(労働者代表)の適法な選出
◆【企画型のみ】労使委員会運営規程、労使委員会の議事録保管(決議有効期限満了日から3年)
◆【企画型のみ】対象労働者の同意書面
◆【企画型のみ】決議日から6か月以内に1回は労働基準監督署への報告
- 【実態面の注意点】
◆従事している業務の内容が法令で定めるものであるか。(職位やキャリアの低い作業的・補助的な労働者に適用することで問題視されるケースが多いです。)
◆協定で定めた時間と実態としての業務従事時間の乖離(かいり)が大きくないか。(裁量労働制でも勤怠を記録する必要があります。)
◆健康確保措置、苦情相談窓口などの協定事項が形骸化していないか。(ひな型で労使協定を作成して実態が伴っていないケースが多いです。)