1 正社員と非正規社員(契約社員、パートアルバイト、嘱託社員)をしっかり区別していますか?
2 労働関係はビジネスの契約関係であり、甘えは許されません。従業員と馴れ合いを防ぐ会社の考え方は入っていますか?
3 問題社員を防ぐ「採用の3つの防波堤」は整備されていますか?
4 人事異動と出向に従う義務は実用レベルに整備されていますか?
5 外国籍対応は漏れていませんか?まさかのための反社会勢力対応は入っていますか?
6 コミュニケーション能力不足、常識不足社員への対応 ~ 指導の根拠として当たり前の内容でも明確に条文化できていますか?
7 情報管理は会社のスタンスを明確に示していますか?(誓約書、情報管理、事業場内検査)
8 変形労働時間、休日、休暇は実態に合った不整合のない規定になっていますか?安直な規定は未払残業の温床になります!
9 労働時間とそうでない時間の区分はなされていますか?(残業許可制、出張時間、健康診断)
10 有給休暇の規定はひな型そのままになっている可能性大!運用実態に合った条文になっていますか?
11 企業現場では様々なことで休業が発生する可能性があります。あらかじめ就業規則に「休業への対応方針」を明示していますか?(特に賃金の支給について)
12 休職トラブル激増中!実務運用に耐える条文になっていますか?
13 実務的に多い退職事由「合意退職」「行方不明退職」を想定した条文を入れていますか?
14 現在は対象者がいなくても、定年と嘱託社員(継続雇用)のルールはあいまいになっていませんか?
15 事業場内の健康管理の観点からの「就業禁止」の条文は入っていますか?
16 「問題社員に対する業務改善指導」に向き合うための規程面の整備はされていますか?
17 降格の法的ロジックが整理されていますか?「人事評価や経営判断としての人事異動」と「懲戒処分としての降格処分」は異なります。
18 固定残業代が曖昧な運用になっていませんか?
1 正社員と非正規社員(契約社員、パートアルバイト、嘱託社員)をしっかり区別していますか?
非正規社員は、正社員と労働条件を区別することに人事政策としての意義があります。適用される規程を分けないと、このメリットが意義する恐れがあります
【正社員と区別される労働条件例】
・契約期間や更新条件の設定
・給与(時給制、手当の有無、賞与の有無、退職金の有無)
・所定労働時間
・人事異動の有無
・福利厚生(特別休暇、休職制度)
2021年4月1日より、全ての企業にパートタイム・有期雇用労働法が適用され、いわゆる同一労働同一賃金が実施されています。労働条件に差異を設ける際には、職務の内容(業務の内容と当該業務に伴う責任の程度)と職務の内容・配置の変更医の範囲などが相違している上で、不合理な待遇差がないことが前提となります。
【就業規則条文例(就業規則の適用範囲)】
1 就業規則は原則として正社員に適用する。
2 正社員以外については、次の区分に従い定めるものとする。
(1)契約社員及びパートタイマーについては、「契約社員就業規則」及び労働条件通知書
を適用する。
(2)嘱託社員については、「嘱託規程」及び労働条件通知書を適用する。
(3)限定正社員については、「限定正社員規程」及び労働条件通知書を適用する。
3 前条の各号の規程等に定めのない事項に限り、この規則を適用する。
2 労働関係はビジネスの契約関係であり、甘えは許されません。従業員と馴れ合いを防ぐ会社の考え方は入っていますか?
【就業規則条文例(正社員の責務)】
正社員とは、期間の定めのない労働契約による従業員であって、労働時間、職務の内容及び勤務地のいずれにも制約なく基幹的業務に携わる者であって、事業目的遂行のため直接担当業務のみではなく周辺業務及び管理業務を含めた職責を全うできる意識と能力を有する者をいう。
【就業規則条文例(債務の本旨に従った労務の提供、労使慣行)】
1 従業員は、この規則を遵守し、信義に従い誠実に権利を行使し、及び義務を履行すべきものであり、その債務の本旨に従った労務の提供をしなければならない。
2 従業員は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、これを濫用することがあってはならない。
3 会社は、個別の事情等を斟酌して、この規則その他社内規程を緩和して適用することができるが、あくまで個別判断による特例であり、これをもって労働慣行とはみなさない。
【就業規則条文例(不利益変更がありえること)】
この規則に定める労働条件は、法律の改正及び経営環境の変化その他の業務上の必要により、就業規則の変更手続により不利益に変更することがある。
3 問題社員を防ぐ「採用の3つの防波堤」は整備されていますか?
(1) 第一の防波堤=採用
就業規則の条文は特に変更は必要ないが、採用面接では、視点の異なる複数名の面接官がしっかり聞くことが大切です。法令やガイドラインに抵触するような内容を聞くことは不適切ですが、業務に関連して聞くべきところは遠慮せずにしっかり聞くべきです。採用後にトラブルになって「面接で聞かれなかったから答えなかっただけです」という抗弁に持ち込まれないようにしっかり確認をしましょう。
【確認しておきたい点】
・履歴書や職務経歴書に虚偽や事実を誇張した記載はしていないですか?(「盛る」という表現で誇張に走る応募者がいることは事実であるので。)
・身体的にも精神的にも、健康で働ける状況ですか?ご不安はありませんか?(理由は様々だが入社間もなく健康状態が悪化する事例は多い。そのような事例になると、会社の安全配慮義務の観点から、無理に働いて頂くこともできず、かといって就業規則上、有給休暇や休職も使えず、現実問題として雇用の継続が難しくなる旨をしっかり説明する。)
・その他勤務の継続に影響のある事情はありませんか?(勤務に影響のある問題があれば必ず事前に相談してもらう。)
(2) 内定管理
採用内定から入社日まで長い期間が発生するケース(特に新卒採用)は注意が必要です。内定後は、企業と内定者は片務的な関係(企業は内定に拘束されるが内定者は破棄してもペナルティはないに入りますので、安易な内定辞退に対する牽制として書面取り交わしを行うこと(内定通知書と内定承諾書の取り交わし)、内定取消事由については事前に明示しておくこと、なお、内定取消事由を就業規則に入れることはあまり意味が無いという意見もありますが、始期付解約権留保付労働契約が成立すると捉える判例の考え方に添って、労働者に準じて就業規則に定めた上で内定者にその該当部分を示しておくことは、企業としての考え方を明示して事前警告をするという意味では一定の意味は見いだされるものと考えます。
【就業規則条文例(内定取消事由)】
採用内定者が次の各号のいずれかに該当する場合は、内定を取り消し、採用しない。
(1) 入社日までに健康状態が採用内定時より低下し、職務に堪えられないと会社が判断したとき。
(2) 健康上の理由、身体的・精神的な理由又は個人的な事情等により、入社後に労働契約の本旨に従った労務提供が困難な状況となることが見込まれるとき。ただし、採用内定前にその旨を会社に申告していた場合はこの限りではない。
(3) 採用選考時の提出書類に偽りの記載をし、又は面接時において事実と異なる告知をしていたことが判明したとき。
(4) 採用内定後に犯罪、反社会的行為その他社会的な信用を失墜する行為を行ったとき。
判例チェック(大日本印刷事件 最二小判昭54.7.20)
【要旨】適法な内定取消事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として認められるものに限られる。
(3) 試用期間管理
試用期間は多くの企業で設定されていますが、現実問題としてその運用は難しいものです。試用期間中に問題行動や職務へのミスマッチが確認された場合は、早期に指導改善に着手する必要があります。指導改善を尽くさずに、安易に試用期間解雇などは到底許されるものではありません。解雇を前提とするのであれば、指導経緯を書面化する等の紛争対応も必要になります。
【就業規則条文例(試用期間解雇)】
試用期間中の従業員が次のいずれかに該当し、従業員として不適格であると認めるときは、本採用を行わず解雇する。
(1) 欠勤、遅刻及び・早退が複数回発生し、会社が指導してもなお再発し、改善が見られない等、勤怠不良と認められるとき。
(2) 所属長の指示に従わない、同僚との協調性がない、仕事に対する意欲が欠如している等の状況が見られ、会社が指導してもなお改善が見られず、勤務態度不良と認められるとき。
(3) 必要な教育は施したが会社が求める能力に足りず、かつ、改善の見込みも薄い等、能力が不足と認められるとき。
(4) 健康状態(精神の状態を含む。)が悪化し、労働契約の本旨に従った労務提供が困難な状況となり、会社が指導しても改善が困難であると認められるとき。
(4) 企業の採用の自由と法令による制限について(ご参考)
三菱樹脂事件 最大判昭48.12.12
【要旨】企業には、経済活動の一環としての契約締結の自由があり、自己の営業のためにどのような者をどのような条件で雇うかについては、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由に行うことができる。
平成19年の改正雇用対策法
募集採用において年齢にかかわりなく均等な機会を付与すべき事業主の責務が努力義務から義務規定に変更された。ただし、期間の定めのない労働者を定年年齢を下回ることを条件に募集・採用する場合、新規学卒者を長期雇用のために募集・採用する場合、特定職種において特定年齢層の労働者が少ない場合にその年齢層の者を補うための募集・採用である場合などには適用されない。
男女雇用機会均等法5条
事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
労働者のプライバシー侵害となる調査・質問(HIV検診など)に関しては、民法709条に基づき不法行為となる可能性がある。
厚生労働省の指針の第4(平11.11.17労告第141号)
「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」「思想及び信条」「労働組合への加入状況」に関する情報を収集してはならないとしている。
厚生労働省の指針(平16.7.1厚労告第259号) *個人情報保護法8条関係「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針について」労働者の個人情報収集に関し個人情報の利用目的を具体的・個別的に特定すべきことを要求している。
4 人事異動と出向に従う義務は実用レベルに整備されていますか?
正社員である以上は人事異動を断ることができないというのは会社側の思い込みです。就業規則の根拠が必要です。近年は、勤務地限定正社員、職務限定正社員という、特約付きの正社員が一般的になっています。中小企業では人材が固定化しているケースが多く人事異動の事例が少ないケースはでは労働者側の認識として人事異動を想定していないことがあり、強い抵抗をされる可能性があります。
【就業規則条文例(人事異動)】
1 会社は、経営業務上の必要があるときは、従業員に人事異動を命ずることができる。
2 労働契約による限定又は正当な理由がない限り従業員は人事異動を拒むことができない。
3 人事異動とは、次のとおりとする。
(1) 配置転換: 同一事業場内での所属部門又は職種の変更
(2) 転勤(海外転勤を含む): 勤務地の変更を伴う所属部門の変更
(3) 役職・職位の任命及び解任
(4) 資格等級制度上の資格・等級の改定(昇格及び降格)
4 前項の人事異動に伴い、給与、諸手当又は労働時間等の労働条件が変更(不利益変更を含む)になる場合がある。詳細はこの規則及び給与規程による。
一般的な労働法の解説では、出向は労働者の同意なく包括規定で命令することができるとされていますが、時に労務トラブルの実務には通用しないことがあります。包括規定による出向命令の有効性については、裁判実務でも厳しい判断がなされる傾向です。
【就業規則条文例(出向)】
1 会社は、従業員に対し、業務上の必要性がある場合必要があるときは、他社に出向を命ずることができる。
2 出向先が、子会社又は関連会社でない場合は、出向期間は原則として3年以内とする。ただし、業務上の必要性がある場合その期間を2年間の範囲内で延長することができる。
3 会社は、出向命令を発する場合、原則として命令日の1週間前に内示する。
4 出向先での労働条件の内容は原則として出向元と同一とするが、就業規則の適用の関係で不利益が発生する場合、会社はその不利益の解消に努める。ただし、雇用確保を目的とする出向の場合は、原則として出向先の労働条件の内容を適用する。
5 出向元復帰の際は、原則として旧職務に復帰するものとする。ただし、旧職務への復帰が困難な場合又は不適当と会社が認める場合には、旧職務とは異なる職務に配置することができる。
6 従業員は、正当な理由がない限り、出向命令を拒むことができない
判例チェック(日本レストランシステム事件 大阪高判平17.1.25)
【要旨】出向命令を有効になしうるためには…、就業規則において…出向先の労働条件、出向期間、復帰条件に関する規定が整備され、その内容も労働者に著しい不利益を被らせるものではないことを要すると解すべきである。
5 外国籍対応は漏れていませんか?まさかのための反社会勢力対応は入っていますか?
【就業規則条文例(外国籍従業員)】
1 外国人従業員については、労働契約期間にかかわらず、労働契約は、就労可能な在留期間が満期となり在留期間更新が認められなかったときは、当該在留期間の満期をもって終了する。
2 前項に関わらず、在留期間の満期日までに外国籍従業員が適正に入国管理局に在留期間更新を申請し、受理された場合で、会社が必要と判断した場合は、在留期間の更新の可否が決定する日又は従前の在留期間の満期日から2か月を経過する日のいずれかの早い日を限度として労働契約を継続することがある。但し、この場合であっても、在留期間の満期の日以降は形態のいかんを問わず就業させず、またこの間は賃金の支払をしない。
【就業規則条文例(反社会的勢力排除)】
1 従業員は、反社会的勢力と一切の関係を持ってはならない。
2 反社会的勢力とは、暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業・団体、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ等、特殊知能暴力集団等その他これらに準ずる者をいう。
3 採用内定者が、反社会勢力と関係を有していることが判明した場合は、内定を取り消し、採用しない。
4 従業員が、反社会勢力と関係を有していることが判明した場合は、退職、解雇又は懲戒処分とする。
6 コミュニケーション能力不足、常識不足社員への対応 ~ 指導の根拠として当たり前の内容でも明確に条文化できていますか?
【就業規則条文例(コミュニケーション及び報連相)】
1 従業員は、業務上のコミュニケーションの重要性を理解し、適切な言葉つかいと態度を心掛け、社内外の関係者と良好な関係を保たなければならない。
2 従業員は、個人的な好き嫌いを業務に持ち込まず、社内外の関係者に敬意をもって接し、情報共有や信頼構築を行い、健全な関係を構築できるようにしなければならない。
3 従業員は、上長への報告・連絡・相談を業務の一環として自主的に行わなければならず、タイミングが遅れないよう、要点をまとめ事実と意見を区別し結論から分かりやすく述べること等、的確に伝達するようにしなければならない。
4 業務上のミス、顧客や関係者からのクレームに関しては、決して隠蔽してはならず、軽微なものであっても直ちに上長に報告しなければならず、自己判断で処理してはならない。
5 身勝手な言動で周囲を困惑させたり、自分の価値観を周囲に押しつけたり、精神的な嫌がらせを行わないこと。(モラルハラスメント類似行為の禁止)
【就業規則条文例(ドレスコード)】
1 服装及び身だしなみは、清潔感を基本とし職種や職場にふさわしいものとしなければならない。会社が基準を定めた場合は、その基準に従わなければならない。
2 次に該当する服装及び身だしなみは禁止する。
(1) 業務の効率を阻害するもの
(2) 他人に不快感や奇異な印象を与えるもの
(3) 派手、刺激的、挑発的なもの
3 服装及び身だしなみが適当であるかどうかの判定は、従業員の主観ではなく、社会通念に照らして上長の判断により行う。
4 前項により適当でないと判定されたときは、会社は改善を指示する。改善命令に従わないときは、就業の禁止を命令することがあり、その期間は無給とする。
7 情報管理は会社のスタンスを明確に示していますか?(誓約書、情報管理、事業場内検査)
【就業規則条文例(提出書類)】
採用された者は、会社の指定した日までに、会社指定の様式にて、次の書類を提出しなければならない。提出を拒む者については、採用を取り消す場合がある。
(1) 身元保証書(会社により必要な場合のみ)
(2) 秘密保持に関する誓約書
(3) 情報管理に関する誓約書
(4) 個人情報の取り扱いに関する同意書
【就業規則条文例(秘密情報)】
1 従業員が、会社の職務上知り得る営業上・技術上の一切の情報を「秘密情報」と呼称し、次の各号の情報を含むものとする。
(1) 職務上知り得た情報の一切。(取引先や顧客に関する一切の情報を含む。)
(2) 会社の製品開発・製造及び販売における資料、企画・営業に関する資料、原価その他価格決定に関する情報
(3) 会社の財務、人事その他に関する情報
(4) 会社の取引先・関連会社の情報
(5) 業務委託、業務提携、共同開発その他に関する情報
(6) 以上のほか、会社が秘密と指定した情報
2 従業員は、在職中及び退職後においても一切の秘密を保持し、会社の許可を得た範囲を超えて、社外への持ち出し、第三者への開示、又は私的な使用をしてはならない。
3 従業員は、情報は会社の資産であることを理解し、厳密かつ慎重な取扱をしなければならない。
4 従業員は、自らが秘密情報の作成に関与していたとしても、その権利が自らに帰属する旨の主張はできない。
5 従業員は、人事異動又は退職に際しては、会社の指示に従い、秘密情報の記載された一切の資料について、原本はもちろん、そのコピー及び関連資料等を会社に返還し、自ら保有してはならない。また、秘密情報の記録されたデータ等についても、そのコピー等をも含め全て会社の指示に基づき消去し、または記録された媒体を会社に返還し、自ら保有してはならない。万一、返還漏れ又は消去漏れが退職後に判明したときは、直ちに会社に報告し、指示に従わなければならない。
6 従業員は、本条及び関連規定に違反したときは、懲戒解雇を含む懲戒処分の対象となる場合がある。なお、従業員の退職後であっても、違反行為により会社に損害が発生した場合には、会社は損害賠償請求、差止請求、信用回復措置請求又は刑事告訴などの法的処分を行う場合がある。
【就業規則条文例(情報端末)】
1 業務に使用されるコンピュータ、記憶媒体、ICカード、通信機器、端末機器、周辺機器及びその他の電子機器(将来的な技術進展により利用される可能性のある電子機器を含む。)を「情報端末」と呼称する。
2 従業員は、情報端末を使用する際には、次の各号を遵守しなければならない。
(1) 会社が認めた目的以外に使用しないこと。
(2) 会社の許可を得ていない私有の情報端末に秘密情報を入力しないこと。また、業務利用しないこと。
(3) 会社が指定したセキュリティ対策を実施すること。
(4) 会社が指定した以外のソフトウェアや拡張機能を導入しないこと。
(5) 会社の許可なく、会社の情報端末に私有の情報端末を接続しないこと。
(6) アクセス権限のない者が操作できないように適切な強度のアカウント及びパスワード設定をすること。ただし、会社が把握及び許可していないアカウント又はパスワードは絶対に使用してはならないこと。(裏アカウント使用行為として重大な不正行為とみなす。)
(7) GPSその他の手段による所在地確認機能を有効にすること。
(8) その他、情報端末に関する会社の指示や規則に従うこと。
3 会社は、業務上の必要がある場合は、従業員に貸与した情報端末を検査し、保存されたデータを閲覧・復元し、その他の手段により調査することができる。この調査は、業務上の必要性により実施されるものであるため、従業員は拒否することはできない。
4 従業員は、情報端末を操作する際には、これにより予期せぬ望ましくない事象(以下、「インシデント」という。)が生じる可能性があることを常に認識し、細心の注意を払って操作しなければならない。インシデントが発生した可能性がある場合は、直ちに会社に報告し、被害抑制に努めなければならない。
5 従業員は、本条及び関連規定に違反したときは、懲戒解雇を含む懲戒処分の対象となる場合がある。
【就業規則条文例(情報通信)】
1 インターネット通信、電子メール、チャットアプリ、ソーシャルネットワーク等の通信技術(将来的な技術進展により利用される可能性のある通信技術を含む。)を「情報通信」と呼称する。
2 業務上の情報通信については、適切な強度のアカウント及びパスワード設定をすること。事故防止の観点から、セキュリティが確保されない情報通信は行わないこと。
3 業務中は、業務に関係のない情報通信や私的な情報通信をしてはならない。
4 会社は、従業員の情報通信の適正化を図るため、情報通信の制限をする、情報通信の内容のモニタリングを行う、又は履歴等を調査することができる。この調査は、業務上の必要性により実施されるものであるため、従業員は拒否することはできない。
5 従業員は、私的な情報通信において、次の各号に該当する情報を発信してはならない。ただし、会社の許可を受けた場合はその限りではない。
(1) 会社の名称、事業内容の他、会社で勤務をしていることを窺わせる情報
(2) 会社の施設、書類、従業員等に関する情報
(3) 会社の取引先及び顧客に関する情報
(4) 会社の秘密情報に関連する情報
(5) 会社に信用失墜、情報漏洩を発生させ、損害を与える恐れのある情報
(6) 会社に関連しない内容であっても、人種や宗教、性別等に関する中傷、特定の個人に対する侮辱やプライバシーを侵害する内容、わいせつな内容、その他法令及び公序良俗に反する情報
6 前項に違反し、会社が不適切な情報発信と判断した場合は、従業員に対して、情報発信の削除・修正を指示する場合があり、従業員はこれに従わなくてはならない。
7 従業員は、本条及び関連規定に違反したときは、懲戒解雇を含む懲戒処分の対象となる場合がある。
【就業規則条文例(事業場検査)】
1 会社は、従業員に貸与しているデスク、ロッカー、ファイル、資料、情報端末及びその他物品について、業務上の必要性がある場合は、閲覧、確認又は検査をすることができる。これは、業務上の必要性から実施されるものであるため、従業員は拒否できず、緊急の場合は、従業員の不在時に実施される場合がある。
2 会社は、必要に応じてその理由を明示のうえ、所持品の検査を行うことができる。従業員はこれに協力しなければならない。
3 退職者又は欠勤者等(連絡が取れない者を含む)が事業場内に残置した物品については、業務との関連の有無を問わず、会社はその内容を確認することができる。本人の申出があるものについては、可能な限り返却するものとするが、返却が困難な物品又は退職又は欠勤から1か月を経過しても返却の申出のない物品については、会社は任意に処分することができる。
8 変形労働時間、休日、休暇は実態に合った不整合のない規定になっていますか?安直な規定は未払残業の温床になります!
【確認しておきたい点】
◆変形労働時間制(特に1年単位変形)についてはデメリットもあるので、安易な適用をしない。(36協定の上限が月42時間、年320時間になる、30日前のシフト通知が必要、シフト変更は原則不可、入退職時の精算をしなければならない。)
◆法定休日(135%割増になる休日出勤)は「1週1休制」または「4週4休制」でルールを明確にして、会社で把握できる状況にする。
◆所定休日(土・日・祝など)と特別休暇(夏期休暇、年末休暇、年休の計画付与)を区別し、年間の所定休日数と所定労働日数を確定する。年間休日カレンダーは労働基準監督署の臨検で必ず確認されるので正しく作成する。
【労働基準監督署が必ずチェックする“残業代の正しい計算式”】
残業代 = 基準内給与 ÷ 月平均所定労働時間 × 125% × 時間外労働時間数
月平均所定労働時間 = 年間所定労働日数 × 1日所定労働時間数 ÷ 12
9 労働時間とそうでない時間の区分はなされていますか?(残業許可制、出張時間、健康診断)
【就業規則条文例(時間外労働)】
1 従業員が業務上の都合により、時間外労働が必要と判断した場合は、所定の手続により、上長の許可を受けて行わなければならない。
2 上長の許可を受けず、時間外労働又は休日労働が行われた場合は、調査等において業務上必要であったと明らかになった時間を除き、原則として労働時間とは認められない。
3 無許可の時間外労働又は休日労働が継続的に行われていることが判明した場合、会社はその改善を求めるものとするが、改善が見られない場合は、一切の時間外労働又は休日労働を禁止し、又は懲戒処分を行う場合がある。
【就業規則条文例(労働時間)】
1 始業時刻とは、所定の就業場所で業務を開始(実作業の開始)する時刻を指し、終業時刻とは、業務の終了(実作業の終了)の時刻を指すものとする。
2 出張及び社外業務における移動時間は、会社の業務指示がない限りは労働時間には含まれないものとする。
【就業規則条文例(健康診断の時間)】
1 常時雇用される従業員に対しては、毎年1回定期健康診断を行う。
2 受診に要する時間は、会社が指示する日時及び場所で受診した場合は労働時間とみなすが従業員の判断で、それ以外の日時及び場所に受診した場合は労働時間とならない。
10 有給休暇の規定はひな型そのままになっている可能性大!運用実態に合った条文になっていますか?
【確認しておきたい点】
◆年次有給休暇の5日義務化の対応は、行政から公開されている文例を参考に条文に追加する。就業規則の整備のみで安心せずに、年次有給休暇管理台帳を作成して進捗管理をする。(5日義務化への企業対応が行われていない場合は、労働基準監督署の是正勧告の対象になるケースが多い。)
◆基準日方式はいくつかパターン(最初の付与のタイミングと2年度目以降の付与日) があるので、運用実態を確認し条文と一致させる。法定の付与日数より不利益になっている箇所がないかどうかを検証する。
◆契約社員・パートタイムの就業規則には、比例付与の規定を忘れずに入れる。そうしないと短時間労働者にもフルタイム並みの日数が付与されると解釈されてしまう懸念あり。
◆付与日と時効消滅日を明確に定め、繰越分と当年分のどちらから消化するかも明文化すること。
◆有休買取は法令上許されないので、就業規則に記載しない。ただし、退職日が確定後 退職により消滅してしまう年次有給休暇を任意の労使交渉で買取することは差し支えないとされている。
◆有休の計画付与は会社にとって便利だが、一方的に行うと従業員の不信感につながる。就業規則への記載はもちろんのこと、労使協定を締結し、年間休日カレンダーと合わせて丁寧に社内説明を行う。また入社時の説明で「有休の一部は会社の指定日に一斉にとっていただくことになっ ている」と説明しておくことも忘れずに。
◆年次有給休暇関連は総じて権利性が高い論点なので、会社側のコンプライアンス感覚や規程整備が行き届いていない場合には労働者からの指摘を受けやすく、ブラック企業批判につながりかねない論点ですので注意すべき。
11 企業現場では様々なことで休業が発生する可能性があります。あらかじめ就業規則に「休業への対応方針」を明示していますか?(特に賃金の支給について)
事案 |
賃金支払いに関する一般的対応(例) |
休職期間中 |
無給とする。 |
育児介護休業、産前産後休業、裁判員休暇など |
無給とする。 |
会社の経営上の理由その他会社の都合による場合 |
原則として、民法第536条第2項を排除し労働基準法第26条の休業手当(平均賃金の6割)を支給する。ただし、会社の判断により通常の賃金を支払う場合がある。 |
不可抗力等で、会社の責めに帰さない事由による自宅待機命令の場合 |
原則として無給とする。ただし会社の判断により通常の賃金を支払う場合がある。 |
会社の都合で在宅勤務を命じた場合 |
通常の給与を支給する。 |
伝染病(法定伝染病のみならず、インフルエンザ等も含む)による休業 |
無給とする。 |
懲戒処分審議中の就業拒否期間(不正行為再発防止、証拠隠滅の恐れがある場合)の自宅待機 |
無給とする。 |
※【参考】民法536条(債務者の危険負担等) 第2項
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
12 休職トラブル激増中!実務運用に耐える条文になっていますか?
【確認しておきたい点】
◆休職期間満了後の自然退職処理を行う上で、無理のない期間設定になっているか。短すぎると会社の配慮不足を指摘され、長すぎると濫用される恐れがある。原則的な期間を設定し、その後は医師の診断書等を参考に療養に必要な範囲で延長検討するような条文の作り方が望ましい。(逆に言えば、療養の実態がないとか、回復の見通しが立たないといった状況には休職はミスマッチになりやすい。)
◆条文の書き方に注意。休職は法令上の権利ではなく、会社任意の福利厚生制度(療養支援や退職猶予のため)なので、会社側主導(判断、発令等)による制度になっているか。(年次有給休暇や育児介護休業などの法令上の権利とは異なるので、労働者からの要求が主導になるような設計にしないことが一般的。)
◆休職期間中の不誠実な態度、信頼破壊行為への想定がされているか。
・治療目的から逸脱する行動及び会社の信用を失墜させるような行為が認められた場合
・従業員が正当な理由なく状況報告を怠り又は拒否した場合
・休職期間中の社会保険料の従業員負担分の未納が発生した場合
◆復職判断は、主治医の意見とは別途、会社の産業医等の意見を聴取する体制になっていて、業務上の基準(労働契約の本旨に従って本来の業務遂行が問題なくできること)に従い、会社が主体的に判断できる条文になっているか。
◆休職期間満了による自然退職が、解雇と混同されるような条文になっていないか。(現実問題として納得しない労働者が不当解雇を訴えてくることはあったとしても、会社としては、自然退職と解雇は区別して考え、その違いを丁寧に労働者に説明する必要がある。離職票の記載内容も異なってくる。)
13 実務的に多い退職事由「合意退職」「行方不明退職」を想定した条文を入れていますか?
【就業規則条文例(退職)】
従業員が、次の各号のいずれかに該当するときは退職とする。
(1) 休職期間が満了しても休職事由が消滅しないとき
(2) 従業員の行方不明又は音信不通等により、暦日で30日以上連絡がとれないとき
(3) 退職につき労使双方が合意したとき
14 現在は対象者がいなくても、定年と嘱託社員(継続雇用)のルールはあいまいになっていませんか?
【就業規則条文例(定年及び継続勤務)】
1 従業員が満60歳に達した日を定年とし、60歳に達した日(満60歳の誕生日の前日)の属する給与計算期間の末日を定年退職日として退職とする。
2 定年に達した従業員が希望する場合は、定年退職日の翌日を起算日として、最長65歳に達する日まで嘱託社員として継続雇用するものとする。
3 嘱託社員契約は、原則として1年間の有期労働契約とし、会社は当該労働契約の更新に際しては、次の各号の判断基準により、更新の有無を判断するものとする。
(1) 本人の健康状態
(2) 本人の能力、勤務状況、成績
(3) 契約期間満了時の業務量
(4) 会社の経営状況
4 嘱託社員の労働条件は、更新の都度見直すものとし、嘱託社員が会社の提示する労働条件に合意した場合に限り、更新するものとする。
15 事業場内の健康管理の観点からの「就業禁止」の条文は入っていますか?
【就業規則条文例(就業禁止)】
1 会社は、安全配慮義務の観点から、次に該当する者については、その就業を禁止する。なお、状況については、会社に直ちに報告をしなければならない。
(1) 本人及び同居の家族が、法定伝染病にかかった恐れがある場合
(2) 本人及び同居の家族が、伝染性の疾病(インフルエンザ等)にかかった恐れがある場合
(3) 勤務により従業員自身の病気や体調が悪化する恐れがある場合
2 会社は、安全配慮義務の観点から、次に該当する者については、その就業を禁止することがある。
(1) 従業員の心身の状況が勤務に適しない又は安全に勤務することが困難であると判断したとき。
(2) 従業員に対して医師から、勤務を控えるべき旨の指示があったとき。
(3) 従業員に対して、公の機関から外出禁止又は外出自粛の要請があったとき。
3 前二項の規定により、就業を禁止された期間は、無給とする。ただし、会社の判断により、特別休暇を付与し、又は在宅での軽易な業務を命ずることができる。
労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
16 「問題社員に対する業務改善指導」に向き合うための規程面の整備はされていますか?
入社日から会社の業務に馴染むまでの期間は、「労使の期待値の相違」「仕事のカルチャーの相違」により、業務に対してミスマッチな状況が発生することが多くなります。
会社として方針やポリシー無く、個別対応による叱責を行ってしまうと、労働者側からハラスメント問題として反撃をされるケースが多くなります。
厳しい業務指導を密室的環境や口頭で行うと、指導内容よりも表現や言い方の問題が取り上げられやすくなります。厳しい業務指導になるほど会社のスタンスを明確にして書面でオープンに行っていくことが、ハラスメントトラブルを防止することになります。
【就業規則条文例(業務指導)】
1 会社は、業務遂行及び会社の秩序維持に関連して従業員に指導又は注意が必要と判断する場合は、次の措置を講ずることができる。
(1) 従業員に口頭での業務指導、注意を行うこと。
(2) 従業員に書面での業務指導、注意を行うこと。
2 前項の措置に対して改善が見られない場合は、会社は懲戒処分、解雇又は退職勧奨を含む人事上の措置を講ずる場合がある。
【就業規則条文例(業務改善報告)】
1 会社は、従業員の勤務状況又は成績が不振であり、従業員の勤務状況の改善が必要と認める場合は、次の措置を指示することができる。
(1) 業務改善報告書の提出
業務の状況、顛末、事実関係を整理して報告した上で具体的に改善をするための行動について報告するもの。
(2) 業務改善計画書の提出
勤務状況又は成績が不振である要因を分析し、改善のための目標及び行動計画を報告するもの。会社の求めに応じて、計画の進捗状況も、定期的に報告しなければならない。
(3) その他必要な書面
2 前項の指示を受けた従業員は、会社の指定する書式(指定がない場合は任意書式)にて、具体的かつ実質的な内容のある記載をしなければならない。記載が不十分なものは、会社は、再度提出を指示することができる。
3 提出を怠り、提出期日を守らない、又は記載が不十分等の理由により、改善が期待できない場合は、会社は懲戒処分、解雇又は退職勧奨を含む人事上の措置を講ずる場合がある。
17 降格の法的ロジックが整理されていますか?「人事評価や経営判断としての人事異動」と「懲戒処分としての降格処分」は異なります。
【就業規則条文例(人事異動)】
1 会社は、経営上の必要があるときは、従業員に人事異動を命ずることができる。
2 労働契約による限定又は正当な理由がない限り従業員は人事異動を拒むことができない。
3 人事異動とは、次のとおりとする。
(1) 配置転換: 所属部門又は職種の変更
(2) 転勤(海外転勤を含む): 勤務地の変更を伴う所属部門の変更
(3) 役職・職位の任命及び解任
(4) 資格等級制度上の資格・等級の改定(昇格及び降格)
4 前項の人事異動に伴い、給与、諸手当又は労働時間等の労働条件が変更(不利益変更を含む)になる場合がある。
5 資格等級制度の運用については、人事評価規程による。
【就業規則条文例(人事評価)】
1 会社は、別途基準を定め、人事評価を行い従業員の処遇を変更することができる。
2 人事評価は、職務内容、職務能力、職責、成績、勤務態度等の要素を総合的に考慮して行うものとする。会社が別途人事評価制度を定めた場合はその内容による。
3 人事評価により会社が必要と認める場合は、給与の改定(減額や廃止等を含む)、職種及び配置の転換その他人事異動を行うことができる。
4 人事評価の結果が不良である場合は、業務指導や改善のための人事上の措置が実施されるものとするが、なお改善が見られない場合は、会社は懲戒処分、解雇又は退職勧奨を含む人事上の措置を講ずる場合がある。
【就業規則条文例(懲戒の種類、程度)】
1 懲戒の種類及び程度は、その情状により次のとおりとする。
(1) 譴責
(2) 減給
(3) 出勤停止
(4) 降格
始末書を提出させるとともに、職位若しくは資格等級の一方又は双方の引き下げを行う。これにより、給与、諸手当が減額され又は不支給となる場合がある。
(5) 諭旨解雇
(6) 懲戒解雇
2 懲戒の手続については、別条に定めるとおりとする。
18 固定残業代が曖昧な運用になっていませんか?
固定残業代は多くの企業に導入されているものですが、本来の法令上にない制度であり、労使合意(就業規則、労働契約)を根拠に認められているものです。そのため合意内容が不明確な制度運用を行ってしまいますと、残業代の支払いとしての効果が事後的に否認されるようなリスクがあります。
【固定残業代の設計において外せない4大ポイント】
① 明確区分性(基本給と固定残業代が明確に区分されていること)
② 対価要件(割増賃金の対価という主旨で支払われていること)
③ 差額支払合意(固定残業代を超える割増賃金が発生した場合は差額を支給する)
④ 手当金額及び残業時間数の明示(賃金規程、労働条件通知書、給与通知書等)
【就業規則条文例(業務手当)】
1 業務手当は30時間分の時間外割増手当として支給するものとし、その金額は個別に定めて通知する
2 実際の時間外労働時間数が30時間に満たない場合であっても業務手当は減額しないものとし、実際の時間外労働時間が30時間を超えるときは、超過分につき、別途時間外割増手当を計算して支払うものとする。
3 業務手当は時間外割増手当として割増賃金計算の基礎となる基準内給与には含まれない。
4 給与計算期間の途中に入社、退職、休職、復職又は欠勤が発生した場合は、業務手当を日割計算又は欠勤控除して支払う。ただし、給与計算期間の全部を休業した場合は、業務手当は支給しない。
5 育児・介護休業法の定めにより、育児・介護休業中の者又は育児・介護時短勤務中の者については、本条の手当は支給しない。その他の理由により、時間外勤務を行わない前提で勤務する者も同様に、本条の手当は支給しない。
6 法定休日割増賃金及び深夜割増賃金は、本条の手当とは別途所定の定めにより支給する。